【八千代市】忘れられないパフォーマンスで観客の心をわしづかみ!和太鼓芸能集団「鼓組」一撥に「想」を込めて(クラファン挑戦中!)
2024年4月29日に大盛況のうちに終了した「八千代ゆりのき台つつじ祭り」でオープニングアクトを務め、その後の2回のパフォーマンスでも大勢の観客の心をわしづかみにした「鼓組」。一度見たら忘れられないパフォーマンスで市内外にファンのいる和太鼓芸能集団です。
普段は千葉県立八千代高校に通う高校生たち。現在、顧問を務める野中先生によると、もともとは千葉県立八千代高校吹奏楽部員有志による和太鼓部隊との事。
平成2年、当時吹奏楽部の委託講師だった太田先生(現在は技術的な全般を監督するコーチ的存在)によって「吹奏楽部鼓組」が結成され、現在はなんと36代目!
吹奏楽部も吹奏楽部鼓組も廃部・活動休止・解散などの危機を迎えた事もありつつ、吹奏楽部から独立した部活動として「鼓組」の活動が開始。現在は36代目18人・37代目12人・38代目17人計47名で活動中。
来る2024年6月15日(土)16日(日)には鼓組36代目の引退公演となる第28回鼓組夜祭「栞」が開催されるとの事で、その稽古の様子を取材。合間にお話も聞かせてもらいました。大人数・大音量・大型かつ大量の楽器となると、八千代市内で練習場所を確保するのもなかなか難しく、この日はお隣の佐倉市での通し稽古。
鼓組には「四役」という立場が存在します。部長的存在の「組頭(くみがしら)」、副的存在の「副組頭」、演出構成担当の「音頭(おんど)取り」、副的存在の「副音頭取り」です。通し稽古では太田先生、音頭取りと副音頭取りの二人を中心に、照明・音楽・場面転換のタイミング・影アナ・セリフ・舞台にかかわるすべてを細やかに何度も何度も繰り返し確認し、練り上げていきます。
太鼓の舞台ではありますが、太鼓を叩くだけではありません。
演劇的要素も組み込みながら、いつの間にか「栞」の世界観へと引き込んでゆく。感情豊かにいろんなパターンを演じる様は、演劇部のようでもありました。
コーチと部員という構図は時に一方的な指導になることもありますが、太田先生と鼓組のメンバーは双方向で意見を出し合い、舞台を作り上げていきます。
「部員の確保には奔走しました。大きな楽器の運搬やセッティングがある為、男子部員の手は多いと助かるので部活動紹介の時は思いっきり気合を入れてアピールしました。」
「そのおかげか、今年は1年生の男子が多く入部してくれました!自分もまったくの未経験で入部し、新入部員の半数以上が初心者ですが、練習を重ねるうちに経験者・未経験者に差はなくなります。」
「音については男女に差はないと思っています。腕力ではなく、身体全体を使って音を出しますし、身体の使い方ひとつで音は変わるので、男女関係なく輝けます!」
鼓組夜祭では受け継がれる定番の楽曲があり、大筋は変えないもののその代ごとに違うアレンジが足されるそう。以前、鼓組の公演を見たことがある方でも、きっと新鮮に感じられるはず。
36代目組頭の吉鶴さんはとにかく多才で、作曲能力も高くアレンジはもちろんの事、彼によるオリジナル曲も当日は披露されるとの事。その曲が館内のBGMなのか、演奏なのか、はたまたエンドロールなのか。当日のお楽しみです。
鼓組には、最高学年(いわゆる鼓組の「顔」)になった時にどういう代になりたいかを決める慣習があり、36代目の彼らは、支えあいや思いやりを表す「想」としたとの事。
「想」に決まるまで反対意見等は無かったのか聞いたところ、最初のアイデアを出し合うときは部員それぞれの特色やカラー、価値観がありつつも、3年間一緒にやってきた仲間なので最後は自然と一つになったとの事。自分たちの色・個性・想いをしっかりと共有できているようです。
しっかりと足を開き、腰を落とし、膝を抜き、身体をしならせ、繰り出される渾身の一打。
別の日に、部室での練習を取材。学校の端っこにあるこのプレハブが彼らの部室です。もともとは校舎の改修工事の際の現場作業員の方々の詰め所だった建物。工事が終わり取り壊されるところを残してもらい、現在まで部室として使用しているとの事。
47名と楽器が収まるには小さすぎる部室の中でミーティング。連絡事項の伝達等終えたら隣の人との2分間のコミュニケーションタイムです。この時の為に、なるべく学年や性別が違う部員同士が横になるように並びます。特に1年生と3年生はわずかな期間しか一緒に練習できないのでこの時のコミュニケーションがとても貴重な時間なのです。
積み上げられたタイヤ。これを太鼓に見立てて練習に励みます。
この日は場当たり。引退公演まであと1か月となりました。
鼓組は現在、第28回鼓組夜祭「栞」に向けてMOTION GALLERYにてクラウドファンディングに挑戦中です。2024年5月7日(火)時点で残りあと25日。八千代市の様々なイベントでたくさんの市民を楽しませてくれている鼓組。彼らの思いと願いをチェックしてみてはいかがでしょうか。
千葉県立八千代高校「鼓組」の皆さん、太田先生、野中先生、平野先生、取材のご協力、ありがとうございました!
「鼓組」のある千葉県立八千代高校はこちらです。