【習志野市】耕作放棄地から新鮮野菜にカモミール?!セサミマイスターもいる「ぶどうの木」とは?!
習志野市の線路沿いに、かつて手つかずで荒れ果てていた耕作放棄地がありました。しかし今、そこは就労継続支援B型事業所「ぶどうの木」の畑として生まれ変わり、障がいを持つ方々が無農薬で四季折々の野菜を丹精込めて育てています。
太陽の恵みをいっぱいに浴びた新鮮な有機野菜は彼らの努力の結晶。季節が巡れば、畑一面が心を癒やすカモミールの香りに包まれます。
「ぶどうの木」の農業は、約1,000坪の広大な農地で徹底した有機農法を実践。農薬を一切使わず、自然の力を最大限に活かした栽培方法で、船橋競馬場から運ばれる競走馬の新鮮な馬糞も堆肥として利用しているんですって。近くに競馬場があることの恩恵は、こういう形でも受けられるんですね!
この豊かな土壌で、旬の野菜が多品種少量で栽培され、利用者たちは種まきから収穫まで実践的な農業スキルを習得し、体を使う作業を通じてチームワークや責任感も育んでいます。
この農業に並ぶ「ぶどうの木」のもう一つの柱が、丹精込めて作り上げられる金ごまの製造・販売です。鷺沼台の作業所では、情熱と技術を持つ「金ごまマイスター」が腕を振るいます。
製造の中心はセサミマイスターの谷さんと、「ぶどうの木」開所当初から在籍している土井さん。谷さんは日本胡麻協会から技術指導を受け、心と体を一体にした製法で金ごまをつきます。つく前に必ず精神統一してから作業開始。
使用するのは世界的に評価の高いトルコ産の「ターキーゴールド」。香りの高さが特徴のこの金ごまを、10万円もする特別な杵で、目、鼻、肌の感覚を駆使して最適な粉砕具合を見極めます。
この金ごま製品、アンチエイジングやコレステロール低下など健康効果も期待できる高付加価値商品として、羽田空港国際線ターミナルやJA直売所でも販売され、高い評価を得ているんですって!
この唯一無二の「農福連携」モデルを牽引するのは、所長の和田さんです。元広告代理店という異色の経歴を持つ和田さんがこの道に進んだのは、多忙を極めた仕事の中で、農業イベントで障がいを持つ方々が生き生きと働く姿に大きな衝撃と感銘を受けたのがきっかけ。一世一代の転身を決意し、農福連携のドアを叩きます。見習いのような立場で無給覚悟で働くうちに、時代の流れとともに、国の制度や支援体制が整っていきました。そして「ぶどうの木」を設立。
広告代理店時代に培った営業・マーケティングスキルや広範なネットワークを惜しみなく注ぎ込み、「ぶどうの木」の社会的意義を効果的に伝え、共感と支援の輪を広げています。羽田空港での販路開拓や、大規模イベント「ノウフクフェスタ@上野公園」の企画・運営はその具体的な成果です。
「ぶどうの木」では、障がいを持つ方々一人ひとりの特性に合わせた作業を提供し、体で覚える仕事を通じて自信と生きがいを創出。コミュニケーション能力の向上にも繋がり、利用者の自立を力強く支えています。
そして「ぶどうの木」もまた、近隣住民の方に支えられています。農地の提供、農作業支援、製品購入など通じ「ぶどうの木」の重要なパートナー。筆者も元気なお野菜を買わせていただきました!どれも力強い味がして、洗ったままで食べるのが一番美味しく感じるほど。
畑へ取材に訪れた時、採れたばかりのカモミールでカモミールティーをいただきました。優しく、香り高いカモミールティーは季節限定の商品として販売されますが、毎年発売を心待ちにしている人の声も届いています。こちらの方は、お友達にもオススメしているそうですよ!
一般的にハーブティーはブレンドの方が飲みやすい印象ですが、こちらのカモミールは香りもよく、ほのかな甘みすら感じる優しいお味で大変飲みやすいです。
購入するだけで就労支援にもなるし、無農薬栽培で生産者がはっきりわかっていることも魅力。シンプルで飽きのこない味わいは仕事の後やホッと一息つきたいときにピッタリなので、リラックスタイム用にリピ買いしています。
今年も販売を楽しみにしています!
「ぶどうの木」は、単なる作業所にとどまらず、有機農業や金ごま製造を通じて、障がいのある方々の技術と誇りを社会に発信しています。もし機会があれば、「ぶどうの木」こだわりの有機野菜や金ごま製品をぜひ一度味わってみてください。JAちば東葛直営店「ふなっこ畑」で購入可能です。特におすすめは「ごまこんぶ」。ご飯にかけたら、お箸が止まらなくなりますよ〜!
「就労継続支援B型事業所 ぶどうの木」はこのあたり。