【習志野市】「音楽のまち」習志野のアイコン・パイプオルガン取り外し作業を公開 — 宮本市長と職人マチューさんが語る「100年先へ繋ぐ決意」

2025年1月6日、習志野文化ホールの象徴であるパイプオルガンの取り外し作業が関係者に公開されました。ホールの再出発に向けた大きな一歩となる現場の様子を、宮本市長の想いと、修復を担うガルニエ・オルガヌム有限会社のマチュー・ガルニエさんのインタビューを交えてお伝えします。

パイプオルガン取り外し作業

筆者が現場に到着すると、山梨県・山中湖のほとりから駆けつけたマチューさんとスタッフの皆さんが、ヘルメット姿で足場に上り、3,500本以上あるパイプを一本一本丁寧に取り外す姿がありました。

パイプオルガン取り外し作業

「大きなパズルのようなものですね。順序を正しく理解しながら進めていきます」と語るマチューさん。今回の作業は、単なる撤去ではなく「再設置」が前提です。そのため、詳細な図面の書き起こしを行いながら、約1か月をかけて慎重に解体が進められます。

パイプオルガン取り外し作業

閉館後の文化ホールは空調が故障しており、気温や湿度の変化によるパーツの膨張・収縮が大きなリスクとなっていました。今回の撤去作業で特に繊細な木部や小型パイプは、専用コンテナに移送され、断熱材と加湿・除湿器を併用した厳格な温湿度管理のもとで保管されます。

パイプオルガン取り外し作業

一方で、自重で潰れやすい長尺パイプは横置きができないため、ホール内にて縦置きで保管されるなど、それぞれの特性に合わせた最善の措置が取られます。マチューさんによると、この規模のオルガンを長期保管して再設置する事例は全国的にも珍しく、今後増えるであろう老朽化したホールのモデルケースになるのでは、とのこと。

パイプオルガン取り外し作業

マチューさんは14歳からこの道一筋、親子二代の職人です。「パイプオルガンには誕生日はあっても、お葬式の日(寿命)はありません」という言葉が印象的でした。適切に手入れをすれば100年、200年と生き続け、街の歴史を見守る存在になるのです。現場には、45年前の設置当時に先人たちが施した地震対策の跡も残っていました。

パイプオルガン取り外し作業

「先人の知恵に敬意を払いながら、これからは私たちの最新技術で、現代の安全基準へとアップデートします」。電気系統の更新や消耗品の交換を経て、楽器はより確かな形へと進化を遂げます。

パイプオルガン取り外し作業

作業を見守る宮本市長は、このオルガンを「習志野の象徴」として守り抜く決意を語りました。

「習志野の色(象徴や音色)を失うことなく、ずっと残していきたい。市民の皆様の熱意を原動力に、再びあの音色を響かせたいと考えています」

クラウドファンディング終了後も「パイプオルガン基金」がプロジェクトを支えており、市長は設計上の支障がない限り、ホールの暫定再開に合わせてオルガンを復活させたいという強い意欲を示しました。

パイプオルガン取り外し作業

ホールが生まれ変わった後には、新しい空間に合わせた「整音」作業に約2か月を要します。パイプ一本ずつの発音や音量を、ホールの響きに合わせて微調整していく、魂を吹き込む作業です。

「大切なのは技術だけでなく、地域の皆さんの興味と愛情です」

とマチューさんは微笑みます。職人の情熱と、市民の想いが一つになり、再びあの荘厳で温かい旋律が新しいホールに響き渡る――。その瞬間を、今は静かに、そして熱く待ち望みましょう。

パイプオルガン取り外し作業

「習志野文化ホール(休館中)」はこちら。

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