【八千代市】八千代びな七段飾りに鎧兜、クリスマスツリーに七夕も。四季折々の行事が盛りだくさんな一番古くて一番新しい中学校「八千代中学校」
八千代市には、古くから伝わる「八千代びな」と呼ばれるお雛様があるのをご存知でしょうか。この八千代びなの最大の特徴はまとった十二単が、着せ替えができるというもの。
八千代に古くからお住まいの方によると、女の子が生まれると着せ替え人形としても遊べるので贈った、ということもあったんだとか。
柔らかな表情がとても愛らしい八千代びな。最後の作り手・酒井さんが廃業され、現在は作り手不在の状況。ご家庭にある方は大切にしてくださいね。
その「八千代びな」の7段飾りがなんと「八千代市立八千代中学校」にあると人づてに聞き、お伺いしてきました!八千代中学校は、昭和22年開校で、市内で一番古い創立。校長先生によると、昭和40年に現在の地への移転に伴い「八千代中学校」と名前が変わったそうです。その後の人口増加に伴い、勝田台中学校、大和田中学校、高津中学校、八千代台西中学校が分離して現在に至ります。
現在の校舎は2015年にリニューアル工事が完了し、市内で一番新しい中学校となりました。言うなれば、「一番古くて一番新しい八千代中学校」なのです。現在の校長先生は種村校長(右)。もともとは英語の先生をしていたとの事。子どもたちと学校への深い愛情に加え、柔軟な価値観と、未来への取り組みの意欲を強くお持ちの先生です。お隣は環境整備員の中西さん(左)。
八千代中学校にある八千代びなは、卒業生の親御さんから寄贈されたもの。
実は、校舎建て替えなどもあり、しばらくの間、しまわれたままだったようです。
中西さんが環境整員として着任し、この素晴らしい八千代びなが眠ったままであることを知り、人形の状態を細かくチェック。
ご自身で修繕できるところは修繕を施し、再び子どもたちの前に姿を現した八千代びな7段総飾りは見事なもの。中西さんいわく「出す時より、しまう時の方が緊張するんですよ」との事。来年もまたひな祭りの時期にはこの素晴らしい八千代びながお目見えします。
現在は端午の節句に向けて、鎧兜が飾られています。こちらも本当に立派な一式ですが、どのようにして八千代中学校に来たのかは、記録に残っていないんだそう。
「これだけの立派なものですから、八千代中学校の生徒に日本文化の継承を、という事で寄贈されたのかもしれません」と種村校長。背景となる屏風に描かれた龍と虎も邪気を払うべく、するどい視線をこちらに向けています。子どもたちの健やかな成長を願う、素晴らしい鎧兜です。
敷かれている緑色の毛氈には、中西さんお手製の八中の校章があしらわれています。
子どもたちと学校への深い愛情を、校内の造形物で表現なさる環境整備員の中西さん。うすうすお気づきかもしれませんが、この方がとにかくすごいんです!八千代中学校は、玄関に高い吹き抜けのある構造となっているのですが、「新校舎落成の時からこの高さを利用しない手はないと思っていた」という中西さんの手によって、クリスマスにはクリスマスツリーが飾られます。
七夕には、親戚宅に生えている笹の葉を切ってトラックで運び、飾るんだそう。吹き抜けを最大限に生かずべく、なるべく背の高いものを切ってくるんだとか。
ハロウィンにはお化け傘、と様々なディスプレイが施され、子どもたちは四季折々の季節感を存分に味わっています。「お金はかけられないのでアイデアで勝負です」とおっしゃる中西さん。
生徒たちの作品を掲示する、こちらの段差テーブルももちろん中西さんのお手製。なぜそんなにアイデア豊かでそれを形にできるのかお伺いしたところ、現役の頃は某有名百貨店にいらっしゃったとの事。百貨店の催事をこなしてきた経験が、今ここで活かされているようです。
中西さんの、泉のように湧いてくるアイデアと職人とも言える器用さ、それを最大限に学校行事として子どもたちに楽しませてくれる種村校長先生のいる八千代中学校。筆者も、このような素晴らしい環境で学校生活を送れる生徒たちが羨ましく感じました。八千代中学校の生徒たちが、この豊かな学校生活の中で培われた感性を未来へと繋げてくれることを願わずにはいられません。
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