【習志野市】実籾本郷公園内の古民家『旧鴇田家住宅』の縁側で水琴窟の音色に癒やされてみませんか
京成線実籾駅から徒歩約10分のところにある緑豊かな実籾本郷公園は、習志野市民には桜の名所でおなじみの場所でもあります。
公園内にある『旧鴇田家住宅』は、無料で見学できる県指定有形文化財(建造物)です。江戸時代の建物に美しい音色の水琴窟が聞こえる縁側や、古寺のようなお庭が見られるのをご存知でしたでしょうか?
管理している方にお聞きしたところ、この建物は元々は御成街道のガスト(習志野市実籾2丁目)のあたりにあったんだそうです。平成に解体され、2年かけてこちらに移築された際に、ほぼ元の姿に復元されたそうです。県内でも珍しい曲屋形式で、貴重な住宅であるとの事。
訪れたのは午前10時半頃だったのですが、建物内に入るとかまどに実際に火が入っていました。かまどから立ち昇る煙の成分が茅をいぶす効果があるのだそうです。なんとも風情のある景色でした。
見上げた天井には大きな梁が。うねりのある木を使用しており、独特の風格を感じます。そしてこの家の大きな特徴は大黒柱が無いことだそうですが、県内では、江戸時代中期までの民家では大黒柱を建てないのが一般的だったようです。
こちらは板の間です。この旧鴇田家住宅の中では一番大きな空間です。
囲炉裏には「横座(家長が座る場所)」「かか座(主婦が座る場所)」など説明書きがあります。
こちらは板の間から庭を眺める開放感のある景色です。ここに暮らした人々は、同じように庭を眺めたのでしょうか。
部屋や建具、意匠それぞれの説明書きがあり、見学していてもわかりやすいです。
まるで奈良や京都の古寺に来たかのような庭には、静寂と、砂紋が広がります。
縁側では、気持ちの良い時間が過ぎてゆきます。ここで読書しながら眠ってしまう方もいるのだとか。そして、どこからともなく水琴窟の音が聞こえてきます。
水琴窟は実際には庭のつくばいの下にあるのですが、縁側から聞こえるように「ちょっとした」細工がしてあるのだそう。いつまでも聞いていたくなる風雅な音色です。
秋に訪れた際は、あけびがなっていました。
「習志野市名木百選」のタギョウショウの美しい立ち姿も見応えがあります。旧鴇田家住宅では7月の七夕飾り、9月お月見の会、11月には落語会が予定されています。四季折々、様々な見どころのある『旧鴇田家住宅』に、ぜひ足を運んでみて下さい(HPによると2024年は1月5日から開館です)。
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